あざには、非常にたくさんの種類があり、そのほとんどは病院で治療することが可能ですが、
治療ができる専門の医療機関や治療に関する情報が少ないのが現状です。
当クリニックでは、そのような現状を打開するため、
開院当初よりあざの治療に積極的に取り組んでまいりました。
保険は使えるの?
手術が必要?
治療後の変化や効果はどれくらい?
私のこの皮ふの異常はあざなの? などなど…
あざは、その種類の多さゆえ、治療法も多岐にわたっています。
当院では、メインとなるのはレーザー治療になります。
あざの種類によっては悪性化の可能性があるものもあり、手術で切除することもあります。
治療には保険適応でないものや保険の回数制限があるものもありますが、
ほとんどのあざが保険適応でレーザー治療ができますし、手術なら全て保険適応になります。
しっかりお話を聞いて、症例写真なども見ていただいて、最適な治療法を一緒に考えましょう。
どうぞ、まずは一度ご相談にいらしてください。
赤あざの治療について
赤あざの中には生まれた時からあり、そのまま変化しないものもありますが、
「放っておけば自然に消えますよ(消えることが多いですよ)」 と言われるものもあります。
でも、本当に放っておいていいのでしょうか?
赤あざの赤い色は血管を流れる血液中のヘモグロビンの色であり、
当院では、このヘモグロビンの赤い色に反応する波長をもったレーザーを用いて治療します。
施術例
VビームⅡは血液中のヘモグロビンに反応し、赤あざの原因である異常血管を減少させます。
VビームⅡはレーザーのパルス幅(照射時間)を調節できるため、肌や血管の状態によって治療に適した設定を調節することができます。さらに、レーザー照射の直前に冷却ガスを噴射することによって痛みを少なくし、皮膚を傷付けることなく治療が可能です。
従来のダイレーザーでは照射後にカサブタができたり、潰瘍になったりしていましたが、VビームⅡでは紫斑(内出血)がでるだけなので、治療後にガーゼやテープを貼る必要がありません。
- ・「自然に治る」と説明されることの多い「いちご状血管腫」
- 赤ちゃんに見られる赤あざで多いものに「いちご状血管腫」があります。
いちご状血管腫は、生後2週間前後から赤い点々が出現し、その後いちごのようにもこもこっと盛り上がってきます。
10か月くらいまでは大きくなり、その後はだんだん小さくなり、7~8歳くらいまでに「自然に治る」というのが一般的な経過です。
病院で相談しても、「いずれ消えますから治療しなくて大丈夫ですよ。」と説明されることも多いです。
- ・実際は小学校にあがるころまでの消失率70%程度
- しかし、7歳での消失率は70%程度と言われています。
つまり、小学校にあがるころになっても、30%のいちご状血管腫は残っていて、そのまま消えずに残ることもあるのです。
また、「消える」「治る」と言っても完全に正常な皮膚になるわけではなく、血管腫の大きさの皮膚が
シワシワや凸凹の「傷あと」になって残ります。
血管腫が大きくなればなるほど、消えた後の傷あとも大きくなります。
- ・「いちご状血管腫」は早期治療が効果的
- いちご状血管腫は、なるべく早い時期、まだ小さくて盛り上がりの少ない時期に、1週間でも1日でも早くレーザー治療を始めれば、少ない回数、短い期間で効果をあげることができ、1歳になる前に治療を終えることも可能です。
パルスダイレーザー、VビームⅡによるいちご状血管腫の治療は保険適応、乳幼児医療費助成の対象です。
消えるか消えないか心配しながら7歳まで待つよりも、ものごころがつく前に消してあげたいと思いませんか。
サーモンパッチやウンナ母斑と呼ばれる、額、鼻~鼻下、まぶた、うなじなどに出る血管腫も、「ほとんど消える」と言われています。
しかし、額やうなじなど、大人になっても消えずに残っている方もいます。
これも消えるか消えないか心配しながら待つよりも、赤ちゃんのうちに治療することで早く安全に治療することができます。
また、ポートワイン母斑とも呼ばれる、べたっと面で広がる血管腫は自然に消えることはなく、部位によっては放置していると軟部組織が肥大する(血管腫の部分だけ盛り上がってふくれてきたり、手足なら太くなったりする)こともあります。
この血管腫はレーザー治療でも完全に消失させることが難しい血管腫です。
しかし、薄くするため、組織肥大を予防するためにも、やはり早めの治療開始が望ましいのです。
茶あざの治療について
茶あざの茶色も青あざと同じメラニン色素の色です。
青あざのメラニンが皮膚の深いところにあり青く見えるのに対し、茶あざのメラニンは皮膚の浅いところに色素があり、茶色に見えます。
赤ちゃんにみられる茶あざは扁平母斑またはカフェオレ斑と呼ばれます。
また、思春期頃になって首~肩、腕などにまだらに出現するベッカー母斑と呼ばれる茶あざもあります。
施術例
ルビーレーザーは694nmの波長を出し、皮膚内部のメラニン色素を効果的に破壊することに優れているレーザーです。傷跡を残さずにメラニン色素のみを安全に治療しますので、周囲の正常な皮膚を傷つけることがありません。さらにヘモグロビンへの吸収が低いため、血管へも損害を与えません。 ルビーレーザー光は、色素と正常組織の吸収に対して、最もバランスの良い波長であるため、効果的に茶あざを治療することが可能です。
いわゆる「シミ」のようにも見える茶あざ。
皮膚の色に近いし、赤や青のあざよりも簡単にとれそう…と思われがちなのですが、実は一番やっかいなあざなのです。
皮膚の浅いところにあるメラニン色素。
レーザーへの反応は良く、カサブタができてあざはぺろっと剥がれるのですが、
そのまま消えることよりも、再発してしまうことの方が多いあざなのです。
再発し、治療前よりは薄くなるということもあれば、
全体は薄くなっても毛穴のところだけ点々と濃く再発して、水玉模様になってしまうこともあります。
あざのある部位(顔なのか、目立たないところなのか)、色合いなどにより、どれだけ気になるものか? といういこと。
また、再発する可能性や再発した場合の経過について、診察でしっかりと説明いたしますので、
お話を聞いていただいて、よく考えられて、相談・納得した上で、治療を始められる事をおすすめします。
青あざの治療について
青あざの青はメラニン色素の色です。
「メラニン色素って日焼けで増えたり、シミを作ったりするもの? それって黒とか茶色じゃないの?」と思われるかもしれません。
メラニンは皮膚の中で存在する深さによって、色の見え方が違うのです。
皮膚の浅いところにメラニンがあれば茶色、それより深い場合は灰色、さらに深いところにあれば青っぽく見えます。
青あざは、なるべく皮膚が薄い赤ちゃんの頃に治療を始めると、痛みの少ない低いパワーで、より少ない回数で治療することができます。
また、お顔、手足の青あざは、ぜひ日焼けをするようになる前に治療を始めてあげてください。
施術例
ルビーレーザーは694nmの波長を出し、皮膚内部のメラニン色素を効果的に破壊することに優れているレーザーです。傷跡を残さずにメラニン色素のみを安全に治療しますので、周囲の正常な皮膚を傷つけることがありません。さらにヘモグロビンへの吸収が低いため、血管へも損害を与えません。 ルビーレーザー光は、色素と正常組織の吸収に対して、最もバランスの良い波長であるため、効果的に青あざを治療することが可能です。
多くの赤ちゃんのお尻~腰にでる青あざの「蒙古斑」は、薄いものなら小学校に入る頃までに自然に消えます。
しかし、お尻でも特に色が濃いものは消えずに残ることがあります。
また、「異所性」蒙古斑と呼ばれるもの、つまり一般的な蒙古斑の部位以外の肩、手、足などに見られるもの、そしてやはり特に色の濃いものは大人になっても消えずにそのまま残ることが多いのです。
あざが残った場合に気になるところであれば、なるべく早いうちに治療を始めてあげてください。
お顔にでる青あざである「太田母斑」は、生まれたときからある場合と、しばらくしてから色が出てきたり、だんだん濃くなってくる場合があります。
「太田母斑」は治療をしないで自然に消えることはなく、思春期を迎えるとさらに濃くなることもあります。
まだ日焼けをしていない、皮ふが薄い赤ちゃんのうちに治療を始めることで、痛みの少ない低いパワーで、より少ない回数で治療をしてあげることができます。
赤ちゃん(新生児)のあざ治療はいつ頃から?
- 動きまわらず、的確に安全に照射可能。
- 小さな赤ちゃんのうちならば、看護師さんにしっかりと押さえてもらって安全にレーザーをあてることができますが、だんだん体が大きくなると、あばれる力が強くなるので、的確にレーザーをあてるのも大変になってくるということです。
- 記憶に残らず、ストレスになりにくい。
- 赤ちゃんの時なら、治療したこともすぐに忘れてくれますが、ものごころがつく頃になると、治療への恐怖心が本人の記憶に残るようになってしまい、子どもさんのストレス、トラウマになってしまうからです。
- 皮膚が薄いので、弱パワーで高い治療効果。
- レーザーの光が届く深さには限界がありますので、より皮膚が薄い赤ちゃんの時の方が、痛みの少ない弱いパワーで、高い治療効果をあげることができます。
- 日焼けをしていない肌が、治療の効果をあげる。
- 赤ちゃんは日焼けをしていないけれど、幼稚園や小学校に行くころになると日焼けをしてしまう、ということです。
あざに反応するレーザーは、日焼けによるメラニン色素にも反応します。日焼けした状態でレーザーをあてると、レーザーがあざの細胞に届く前に日焼けのメラニン色素に反応してしまって、やけどを起こしてしまう上に治療の効果は低くなるのです。
日焼けの状態によっては治療自体をお断りしなければならないこともあります。
いちご状血管腫やサーモンパッチ、異所性蒙古斑のように、一般的に「自然に消える(かもしれない)」と言われているものは、「待ってみて、消えなかったら治療する」というのも、選択肢の一つと思います。
しかし、消えるか消えないかを心配しながら待つ期間のことや、「消えなかった時」に治療を始める場合のお子さんの心のケアや、日焼けによるリスクを考えると、やはり赤ちゃんのうちに治療をしてあげた方が、お子さんにとって良い結果になるのではないでしょうか。
あざのあるお子さまがいらっしゃるお父さん、お母さん。あざ治療ができる医療機関はまだまだ少なく、治療に関する情報も少なくてお悩みのことと思います。どうぞ、まずは一度ご相談にいらしてください。
最初に、お子さんのあざに治療が必要かどうか。必要なら、どういった機械を使って、どういった治療をするのか。治療後の変化や効果はどういったものか…しっかりお話を聞いていただき、症例写真なども見ていただいて、お子さんにとって一番いい方法を、一緒に考えましょう。